オススメしている外壁材『そとん壁』について

外壁材は家のイメージを大きく左右するので、弊社でよく採用している高千穂シラスの『そとん壁』についてまとめてみました。

 

・そとん壁とは?

 

そとん壁とはシラス台地(鹿児島、宮崎県南部)のシラスから出来ている外壁材です。

シラスは2万5千年前の巨大な火山噴火のマグマが冷やされ、火砕流となり堆積したものです

シラスの主成分は珪酸で、除湿剤の主原料でもあるので調湿性に優れ、無数にある空洞がニオイや化学物質も吸着してくれます。

人工物ではない、自然素材でできた左官材料となります。

 

・そとん壁を採用するようになったきっかけについて

そとん壁の事は独立前から知っていました。

独立後、仕事を一緒にするようになった工務店からの進めで採用したのが最初です。

その仕上がりがシラス独特の風合いで質感がよく、性能面もよいので引き続き採用しています。

今は、弊社の標準仕様でお客さんに勧めさせてもらっております。


・そとん壁とサイディングの金額について

 

サイディングに比べると、初期費用はかかります。

ただ、サイディングのようにコーキングは使用しませんし、色も天然の岩を砕いたものを顔料として使っていることもあり色の退色が起こりにくいです。2030年と考えるとメンテナンスコストがかからないため、トータルで考えると高くない外壁材だと思います。

 

・そとん壁の色について

色は10色、仕上げテクスチャーは7種類があります。



・そとん壁のメリット・デメリット

 

メリット

1、デザイン性が高い。

人工物では得られないシラス独特の風合いと質感でデザイン性の高い仕上がりが期待できます。

また、継ぎ目のない仕上がりで外観が美しく仕上がります。

 

2、自然素材でありながら高い防水性能を持つ。

下塗り材と上塗り材の2層構造になっていて、下塗り材は超微細なシラス粒子、上塗り材はそれより大きいシラス粒子で構成されています。この下塗り材の粒子が水蒸気は通して、雨水の大きな粒子を通しません。

また、シラス壁だけの防水のしくみ(くの字現象)で浸み込んだ雨水は、隙間が細かい下塗り材にほとんど浸み込むことなく、上塗り材の表面へ流れていきます。

 

 

3、断熱効果がある。

多孔質のシラス粒子内部に空気を取り込んでくれるため、他の塗り壁に比べて、外気の温度を建物内部に伝えにくく、冷暖房の効率をアップさせてくれます。


デメリット

1、ひび割れのリスク

左官塗りで仕上げられるため、地震などでひび割れが起こるリスクがあります。

下地処理を行っているので、可能性は低いですがひび割れが起こる可能性がある事は、理解して採用した方がいいかと思います。

 

2、他の材料と比べるとコストがかかる

他の仕上げ材に比べると、初期費用がかかります。

ただ、メンテナンスのコストがそれほどかからないため、トータルで考えると高くない素材かと思います。

 

 

・そとん壁のメンテナンスについて

 

シラスは、マグマの超高温で焼成された高純度無機質セラミック物質で『マグマセラミック』と呼ばれています。

無機質の天然セラミック素材のため、紫外線、雨、風による退色や劣化がおきにくく、汚れも付きにくい素材で、防水性も劣化しにくいです。

経年変化で風合いに多少の変化は見られますが、基本的にはメンテナンスフリーの素材です。

 

 

高千穂シラスのそとん壁について少しでも参考になればと思います。

 

設計室en 小野